第十四回/長崎雑煮
今回は長崎伝統正月料理『長崎雑煮』を紹介します。

 
長崎伝統正月料理
年の瀬からお正月にかけて、故郷に帰省した家族や親戚などが集まり、どこの家も普段以上に賑やかになります。年が明けると家々に年始の挨拶客などが三々五々集まりますね。
どこの家庭でも決まって、屠蘇を飲み、丸もちと唐人菜、ブリなどが入った雑煮を食べ、おせちを囲んで新年を祝います。「一年の邪気を払い年を伸ばす」という中国から伝わった漢方薬の屠蘇散は、血圧を正常にし、健胃、強心に効果があります。
 

 
長崎雑煮
豪華で具だくさん「長崎雑煮」
あけましておめでとうございます。健やかな新世紀・新年になりますよう、皆様のご多幸を心からお祈りいたします。
お雑煮はだし汁や具に、それぞれの土地ならではの風土や伝統がぎゅっと詰まっていて、しかも家庭によって微妙に違うから面白いです。そう、お雑煮は故郷や家庭の味。焼きアゴの出し汁(アゴ:飛び魚を長崎地方ではこう呼びます)を使ったすまし仕立てで、具は焼いた丸餅、鶏肉、かまぼこ、白菜、ニンジン、生しいたけ、唐人菜など、長崎雑煮の中の具は必ず奇数にして入れます。唐人菜は菜を乗せて「名を(菜)をあげる」という縁起あるといわれています。
上品な風味の焼きアゴのだし汁は、他の地域では珍しいと思いますが長崎ではメジャーな食材です。しかし若干、高級品なので、普段はカツオやイリコだしを使う家庭が多く、お正月とかおめでたい日に使用します。
この一杯の長崎雑煮には中国やオランダとの貿易で潤っていた頃の長崎の贅沢さや、海の幸、山の幸に恵まれた土地柄が映し出されています。長崎では今もこの伝統を汲む雑煮が多いようです。
 

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