第六回/くんち小屋入り〜本番
今回はいよいよ10月に迫った長崎の秋の大祭『くんち』の貴重な資料の紹介です。

 

【6月1日 小屋入り】

毎年、6月1日は『長崎くんち』は稽古始めを告げる『小屋入り』の日です。長崎市の諏訪神社では今朝、今年の踊町の関係者が諏訪の森に笛と太鼓の音を響かせながら長坂を上がり拝殿へ向かいます。そして神前でのお祓いを受けたあとシャギリを奉納し、今年のくんちの成功を祈ります。
今年の踊町は6ヵ町で築町の御座舟、東濱町の竜宮船などのほか、特別参加として籠町の龍(じゃ)踊が登場します。
10月に本番を迎える長崎くんち。各踊町はこれから4ヵ月間、猛稽古の日々が続きます。

資料提供/長崎諏訪神社
長崎諏訪神社大祭式行列(明治12年3月16日お届
諏訪神社よりお旅所までのお下りの様子
画工/長谷川勘之助氏  奉納主/安中半三郎氏
 


【10月7日 おくだり】

10月7日から9日まで開催される『長崎くんち』。初日は下記の絵馬(木板に描かれた絵)の様に諏訪神社で奉納が行われた後、お旅所まで荘厳かつ勇壮なおくだりの模様を見ることができます。
今年の踊町は6ヵ町で築町の御座舟、東濱町の竜宮船などのほか、特別参加として籠町の龍(じゃ)踊が登場します。
 

 
諏訪神社よりお旅所までの行列の様子です。
明治時代に描かれた、この絵馬は先頭に三神社の旗、その後を旗持ちの行列、その左右にはささら引き(行列を先導しながら竹の棒でお祓いをしながら道を歩く)、大太刀、小太刀と続きます。
神鏡(かみかがみ)のあとに無人の馬(この馬には神様が乗る為に無人)、そして三神社の神輿守となっています。今でもこの順番は受け継がれています。
※但し描かれている神鏡は現在でも行列に使用されていますが、先頭の三神社の旗、無人の馬は現在は行列には入っていません。
 

資料提供・取材協力/長崎諏訪神社
長崎諏訪神社大祭式行列(明治時代)

 

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